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さかなの瞼

diary of chapter6

桜の森の満開の下

「桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子だんごをたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です…」

否定から入るこのはじまり方はなかなか面白い。東京もここ数日で桜が一気に開花したということでGRAPEVINEの田中くん推し、坂口安吾を読んでみた。タイトルに”の”が3つも入るのも何だかトリッキーだったり、文章も独特の言い回し…というか決して正攻法でない感じも好きな人にはウケるのかもしれません。

内容はある山賊を主人公に冒頭にある桜の恐ろしさや猟奇的な女との話なのだけど、シンプルに考えれば美しいものに対峙した時の得体の知れぬ不安や孤独といったものが語られているように思う。特に山賊が女を奪う際にその女が美しいあまり、普段は行わない殺人を犯してしまうといった局面もそれを素直に表している。美しいものが悪いのではなく、それに対峙した時に自身の非力さ認めざるを得ないというか…言い換えればやはり恐怖なのだろう。Wikiで見てみたら1975年に映画化もされていて、美しく猟奇的な女を岩下志麻が演じている。どうも極道の妻たちの印象なのだけど、ちょっと観てみたい気もします。

桜の森の満開の下

桜の森の満開の下

因みにバインファンとしてはどうしてもこじつけたくなるのだが、作中で印象的な四方という言葉をはじめ「Graveyard♪」の歌詞にリンクしてるのかなぁとか考えてしまいますね。四つ角の悪魔、樹海のコミュニティ、有財無財餓鬼達と遊べ(首遊び)、揺らいだ世界で独り…等々色々符合するんだよなぁ…とか。

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