さかなの瞼

diary of chapter6

novel

夏への扉

SFだもん。説明しないよ♪(by冥王星/GRAPEVINE) やっぱり大衆小説にはなかなか食指が動かなくて所謂名作的なものに手を出したりしています。これもSFとしてはメジャーな作品のようで、多少のご都合主義はまぁ愛嬌と割り切れば、至極スタンダードなタイムト…

安部公房「飢餓同盟」

間違いなく安部公房な作品なのだけど、他とはまた違った雰囲気の作品でした。ただ読後その世界観に浸っていたいのは相変わらずで、もう読後2ヶ月は経過したにもかかわらず、なかなか抜けきれないというか抜けたくないというか。でも次の作品へも進むためこう…

個人的な体験 **

少し前だけどノーベル文学賞の時期に相変わらず村上春樹がメディアを賑わし…(個人的には彼が受賞するのはふさわしくないと思うが)いつしかフェードアウトして。てな感じで読書家ではない私もこの時期になるとその受賞者の作品でも読んでみるかな。とか思う…

何度も確実に死につづける。

安部公房「密会」を続けて2回読了。正確には2.3回。らしく冒頭から渦中に放り込まれるので輪郭を確認しながら読み進めていくと途中で「あっ」てなって、改めて読み返すという(苦笑) あぁそうか箱男の直後の作品なのか。どうりで構成が似ている。箱男が覗く…

「ハーモニー」伊藤計劃

作家デビューから僅か2年(34歳)で亡くなった伊藤計劃の遺作。最近は安部公房やSFあたりをうろうろしてたらこの作品にたどり着いた。 ハーモニー〔新版〕 (ハヤカワ文庫JA) 作者: 伊藤計劃,redjuice 出版社/メーカー: 早川書房 発売日: 2014/08/08 メディア…

「人間そっくり」安部公房

正気から見れば狂人は”キチガイ”であるが、狂人から見れば正気はやはり”キチガイ”である。つまり確立したはずのアインデンティティは何の説得力も持たない。安部公房の「人間そっくり」はそういった内容である。 人間そっくり (新潮文庫) 作者: 安部公房 出…

漁港の肉子ちゃん

漁港の肉子ちゃん (幻冬舎文庫) 作者: 西加奈子 出版社/メーカー: 幻冬舎 発売日: 2014/04/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (9件) を見る 普通に面白かったのだけど、やはり大衆小説は自分にとって娯楽の域を超えないし、ソレに時間を費やすのは費用…

「幼年期の終わり」アーサー・C・クラーク著(1953年)

なんだか最近は無性にSFが読みたいのです。ということで「2001年宇宙の旅」でも有名なアーサーCクラークの作品。ミステリーの要素もあってなかなか面白かったです。序盤の現実感と終盤のぶっ飛び感のギャップが個人的には少しアレだけども、相対性理論に基づ…

「方舟さくら丸」 安部公房著(1984年)

2回目読了。やはり安部公房作品は期待を裏切らない。いや正直なところ他の好きな作品に比べると必ずしも上位に来るわけではないが、やはり公房故の着眼点は流石である。あえて難を言えば終盤の急展開…登場人物が急増してからの雑多な印象は残ってしまった。…

「雲の墓標」 阿川弘之著(1956年)

以前から今年の春(特攻隊が最も多く命を落とした季節)若しくは終戦記念日が訪れる夏には読もうと温めていた作品。そこへ先日の訃報は全くの偶然。 第二次世界大戦末期に動員された学徒兵の心情が日記形式で綴られる。その仲間の中には戦争や自ら命を捧げる…

桜の森の満開の下

「桜の花が咲くと人々は酒をぶらさげたり団子だんごをたべて花の下を歩いて絶景だの春ランマンだのと浮かれて陽気になりますが、これは嘘です…」 否定から入るこのはじまり方はなかなか面白い。東京もここ数日で桜が一気に開花したということでGRAPEVINEの田…

iBooksで夏目漱石の「こころ」を読んでみた

私の中では千円札は夏目漱石のイメージだ。確かに改めて考えないと紙幣の肖像が今現在一体誰であるかというのはキャッシュレスが進む世の中においてはあまり重要ではないのかもしれない。因みに伊藤博文Verも印象深いといった世代です…苦笑 とりあえずiBooks…

iBooksでカフカの「変身」も読んでみた

スマホで本を読む事(iBooks)に味を占めた私はこれもいつか読んでみたかったフランツカフカの「変身」を読んでみた。勿論無料。因みにカフカを読みたいと思ったきっかけは村上春樹では全くなく(笑)、カフカの影響を受けたとされる安部公房という存在があ…

iBooksで「人間失格」を読んでみた

最近は鞄にノートパソコンを忍ばせる事も多くてなかなか文庫が入らないのだ。それでも長い電車の時間は退屈なので無作為にネットしてみたり将棋アプリなんかをやっているのだけど、どうもそれは時間の無駄に思えてきて。ということで必ず所有しているスマホ…

グレート・ギャッツビー

後から知ったのだけどこの作品、村上春樹は大好きなのか…ふーん。だから春樹翻訳Verもあったのね。私は村上春樹は(読み易いが中身が)苦手なのでスタンダードな野崎翻訳Verをチョイス。まぁ読み易さを考えると春樹Verでもよかったのかもしれないが。 ざっく…