さかなの瞼

diary of chapter6

GRAPEVINE 17th「新しい果実」

もう随分と前から大晦日のテレビはつまらない。というかテレビ自体とっくにオワコンなんだと思う。持て余した時間に今年やり残したことを考えた。バインの17thアルバム「新しい果実」のレビューを記録すること。春の作品なので年末でも今更感はあるのだが、年を越すのはどうも許せない気がして。

とにかく今作は最近の作品の中ではよく聞き込んだ方かな?コロナやそれに伴った政治不信やら、それらと楽曲が妙に相まってるんだと思う。無論当人の思惑など分かるはずもないけど、聞き手に絶妙に委ねられる様は相変わらず心地よい。押し付けもなく突き放すこともなく、ほんと、ちょうど良いんだよなぁ。なので当たり前だけど以下の記述はあくまで個人的な見解故。

【01.ねずみ浄土】 とくかくオシャレ。

【02. 目覚ましはいつも鳴りやまない】 あぁこうゆうバインさんの特有な軽快さが好きよねぇ。ライトな中にちょっとした風刺も効いていて…日常をうまく切り取るっつうか、抗っているけどふと悩んでしまうとこなんかキュンとします♪

【03. Giffted】 もうこれはシンプルに政治不信に繋がっちゃうなぁ、単純だけど。格差とかなんかそんな感じ。

【04. 居眠り】 美しいメロディーに反してなかなか歌詞が辛いが、どこか幸せを感じる不思議な曲。年を重ねることの意味みたいなことを巡らせてしまいます。

【05. ぬばたま】 イントロの鍵盤が美しい。でもってバインのこうゆう皮肉った歌詞が好きです。愛とか夢とかをうさんくさく歌っている方々をディスってるわけでは決してないけどw 全く関係ないが漕ぎ出す舟という歌詞に「グレート・ギャッツビー」を思わず回想してしまう。幾ら上流へ向かって漕いでも(過去へ)押し戻される…みたいな徒労感。

【06. 阿】 個人的に中休み的な曲w 所謂安定感あるバイン節でBGM的に聞いています。

【07. さみだれ】 またまた亀さんの美メロ♪もうこれはシンプルに病人病室…みたいなシチュエーションですよね。コロナ禍も相まって一層。おかゆじゃなくて…って冗談を言ったりする光景をイメージするとなかなかグッときます。曲調からはやっぱり長くはない命を感じてしまいます。

【08. josh】【09. リヴァイアサン】【10. 最後にして至上の時】…この終盤は歌詞を追う感じでなくて、ただただバインのリズムと音色と、アルバムの余韻を感じるように聞いています。

…とまぁ改めてアルバムを聴きながらこの記事を書いてみた。もう半年以上聞いているけどやっぱり飽きないなぁ。良いアルバムだ。バインさんと出会ってから20年以上になるけど、多分このままメジャーにはならないんだろうけど、きっと死ぬまでキュンキュンさせてもらうんだろうな。

良いお年を。