さかなの瞼

diary of chapter6

個人的な体験 **

少し前だけどノーベル文学賞の時期に相変わらず村上春樹がメディアを賑わし…(個人的には彼が受賞するのはふさわしくないと思うが)いつしかフェードアウトして。てな感じで読書家ではない私もこの時期になるとその受賞者の作品でも読んでみるかな。とか思うのです。

大江健三郎の作品はこれが初めて。たまたま目に付いたこの作品をチョイスしてみた。アフリカを夢見る自堕落な男が我が子を迎えるにあたってまるでネガティブ思考の中、物語が進む。ただでさえ父親になることに抵抗があるにも関わらず追い討ちをかけるように生まれてきた我が子は重い?障害を負っていて…。

確かに**(アスタリスク)以降はないほうがスタンダードのように思えるしなんとなく格好がつく。三島由紀夫をはじめそういった意見は多いようだ。ただこの作品が作者自身のリアルな体験に基づくものであることを考えれば当事者でしか味わえない何かがあったのかもしれない。いずれも当時と今とでは我が子を持つことの意味も幾分変わっているような気もするし、だからといってこの作品の価値は今でも変わることはなく、十分楽しめる作品だとは思います。

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

個人的な体験 (新潮文庫 お 9-10)

 

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「満ち足りないのでまず彼女の愛を喰いちぎった〜♪」全くこじつけかもしれないけど GRAPEVINE「鳥」…バードとかなんとなく…とか。